Time Erase Anything脚本椎奈によるライナーノーツ
みなさま、ごきげんよう。
イベントプロデュースユニット" Lovin'Livin' "主宰の片割れ、椎奈未月でございます。
まずはこの度、Lovin'Livin'の主宰を拝命したところからありがとうございますをいうのは遡りすぎですかね?
そういうテキストもかけていなかったので念のため触れておきます。
そして、正統継承シリーズ「Love Living」の二回の成功、番外編、かつキャストも前回と一緒だったにも関わらず、成功に導いてくださった出演者、関係者の皆様、本当にありがとうございました。
そして何より、お越しいただきましたみなさまに最大限の敬意と感謝を。
本当に感謝の念に堪えません。
そして今後も引き続き、Lovin'Livin'並びにLove Livingを宜しくお願い致します。
さて、閑話休題、本題突入。 ツイッターで「ライナーかく?書かない?」というアンケートを取らせていただきましたら、なんと圧倒的に書いたら読むという結果に相成りましたので、こちらで解説という野暮ったいことにならない程度に掲載させていただきます。
よろしければ、お読みください。
それでは、本編となります。
若干のネタバレ要素ももちろん含みますので、まだ知らない、脚本読んでから!という大変ありがたい方はごめんなさい。この記事はここまでです。
また後ほどお目にかかります。
そしてもう知ってるから読む!という大変ありがたい方は以下にお進みください。
当日の上演順にお送りします。
ということで、まずは山本悠貴選曲、Kinki Kidsのスワンソングから「影に咲く花と、陽に舞う涙」。
お話をご存知の方はタイトルの意味合いも察していただいていることと思います。
こちらの方は、まあ共感性や空想に丸投げするというのが、基本的なスタンスですので、それにかこつけて解説は致しません。
ここをお読みのそこのあなた、今何かタイトルに思いましたか?そうです。それで正解です。 ありがとうございます。
それでは選曲に関して。
ラジオでも度々ご紹介しておりますが、この曲が企画のスタート時に一番最初に決まった曲でした。椎奈も昔から大好きな曲だったので、とっかかりは非常に楽でした。
タイトルを聞いた瞬間に頭の中で流れ始めた記憶があります。 そしてイントロの音色、全体的なメロディや楽曲・楽器構成からまあ、年齢感もある。 歌詞に出てくる言葉も、「経験が浅く日々過ごしていく中で理論を組み上げていく成長期にある浮ついた若者の恋愛」に悲嘆の色を塗るのではなく、ある程度自分の中で恋人に限らず他人に対して、そして他人に応対する自分というものが完璧でないながら、不器用なまま、けれどある程度そういう理論や方法論が確立しているような年齢にするべきだろうとという考えに至りました。
「生きてる重みは 自分で背負うの 手伝いはいらない」
この辺にそれが集約されているなという感じですかね。
歌詞というのは、歌を紡ぐ上でとても重要なものだと思っているので、やはり書く上ではかなり重視しておりました。
そして、単純な死別や離別ではない。 覚悟がちゃんとそこにあるものであるべきというのも初期の段階でありました。 白鳥がタイトイリングされていることから、寒い地域を渡る鳥であるので、物語の始まりと終わりを時期もその辺りに設定しました。
これは取材的な根拠などない椎奈の持論ですが、精神年齢というのは 女性の実年齢=精神年齢と基準にすると、男性はそこに4〜5足したのが、精神年齢的にためになるのではないかなと思います。 (明らかに差が生まれるタイミングもここじゃないかなというのはありますが、これはライナーから外れるので割愛) その持論から、エミリアの年齢を28前後と設定し、シュルツは33前後、と置きました。 タメの理論語っておきながら、一個上じゃねーかと思われた方もいらっしゃると思いますが、その通りです。シュルツは精神的にもエミリアの上なのですが、そこに至るまでにあまり近しい他人を経験していないが故、優しく柔かいエミリアに解かれていくという経緯になれば、それでも立場的にリードしないといけないという心理に発展するのではないかと思ったのがきっかっけです。
初稿にこんな記述があります。(決定稿では削除)
" "
そして締め付けるのは、無数の、鋭利な、棘だ。
痛い。
苦しい。
自分で選んだ自分を包む嘘が、僕の喉元に剣を、頭上に大剣を、かざしてくる。
でも、僕にはその時、その痛みに、その刃に立ち向かう勇気はなくて。
ただただ、ひたすらに愛しい彼女のことだけを、笑って見ていた。
" "
鋭利な棘は、美しいと手に取ろうとした薔薇の棘。
喉元に刃を突きつけてくるのは自らの名前が縫いこまれた、軍服。
そして、頭上の大剣、というのは、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ダモクレスの剣というヨーロッパ文化圏の故事、絵画が元になっています。 現在の意味では、常に戦々恐々とする状況、あるいはそういった状況をもたらすもののたとえ、となります。 この絵画は、ダモクレスがシチリアの僭主に憧れ羨み、追従を表明すると宴に呼ばれたのですが、その席について宴に興じていると、その僭主が、ダモクレスの頭上にとても切れやすい馬の尻尾の毛で剣を吊るしている様子が描かれています。 ダモクレスの望む僭主という立場がいかに危険で危ういものかを示すための行動であったとされて、先述の意味合いの故事に転じていったのですが、後半のシュルツはまさにこのダモクレスの剣下にあるなということで、この表現を用いました。
シュルツの責任感と罪を自覚していること、罰が目の前で暗闇を広げているということをお伝えすべき表現として盛り込んだりしていました。 上記抜粋部分の直前に、首都からエミリアの住む街に向かう港で、出港前、軍の将校から突発辞令の書類を受け取るシーンがあったのですが(これがエミリアの兄弟が軍の暴走によって死亡したことをに対する賠償金の証明書類です)、シュルツがこの時、抱えている秘密と状況、今まで一切切り離してきたエミリアと、その街、そこでの静養という物の中に、物理的に目に見えて軍の影が混ざり込む、というコントラストになり、まさに、エミリアに対するシュルツの立場が、なお一層危ういものになる、という状況を作り出すためでした。
結果としてカットにはなってしまいましたが、山本くんとしろたさんの演技による感情表現、時間表現などによってこんな文章がなくとも見事にクリアされていました。
役者さんほんとすげえ。
と思うのと同時、やっぱ小説と脚本の違い!というのを改めて確認しました(ドウデモイイw)
さてそんな裏話でした。
悲恋、というのが先述の通り基本路線で自然と固定してしまったのですが、とはいえ、この二人はまだまだ生きていくわけです。 ならば年老いるまで生きていくための糧になり、いざ年老いた時に、思い返して、あの頃は良かったなぁ、としみじみするだけではなく、届かなくていいから、と、届け先住所なく名前だけ書いた封筒に、何かしらのメッセージをしたためて便箋を入れてしまい込んだり、海に流したりするような行動を、無意味とわかっていてもしてしまうぐらいの宝石みたいな思い出になってほしいという思いもありました。
シュルツなら、結婚きっとしないし、おそらくこの後軍を去るでしょう。それは責任と、自分に対する疑問と、何よりも真面目なシュルツの自己断罪的な意味合いで。孤独ではないけど、近い他人を望める幸福というものがないまま、気丈にカッコよく生きていってくれるはず。
エミリアは子供三人ぐらいいてもしかしたら魔女宅のおそのさんみたいになってるかもしれません。レストランを、引退するオーナーから引き継いで店長になってるかも。 もしかしたら息子が軍に行きたいと言い出すかもしれない。その時に、シュルツを思い出して、彼女は決定稿のセリフにもあった通りシュルツとの一件を経て乗り越えて、苦しいけど入隊を許可してしまう。シュルツが深めてしまった呪いは、エミリアの温かさによって煮詰まっていって、もしかしたら希望に色を変えるかもしれない。
そんなことが、振り返られて書かれた手紙があるかもしれない。
そんな風に思える二人に、本番を経てきちんとなれたのではないか、と思っておりますが、皆さんはこの二人、今後どうなっていくと思いますか? そんなことも考えてみると面白いかもしれません。
もうひとネタ。
この曲は先述の通り、決定が早かったので妄想・空想・連想する時間的猶予が一番長くありまして、色々考えてしまった結果、決定稿は約8400文字なのに、先ほどから何度か比較させていただいている初稿は約19000文字ありました。半分以下に削っていったことになります。いやはや、この初稿も公開しては?なんて話も山本くんとさせていただいたこともありますので、もしかしたらそのうちどっかに掲載するかもしれません。予定は未定です。
なお、ここで、綴るのはちょっと違うのかもしれませんが、一言。
公開台本で「共著」させていただいた山本悠貴くん、本当にありがとうございました。大変勉強になり、刺激になり、何より出演者と脚本についてディスカッションした中で一番濃密でございました。自分で書くと捉えられない視点、視線をずらすことのできない死角というやつが、自己客観視が苦手な椎奈には多くありますが、そういうかゆいところに手が届いたような本になったのは、この作品に関しては主演が山本くんでなければありえませんでした。
いや、みなさん、大げさでなく本当そうなんですよw
削るという作業が一番大きかった本なので、その点を僕一人でなくできたのは、作品のクオリティアップにとても大きく作用していると思います。
もちろんみんなそうなんですけど、毎回本当に真摯に脚本に向かってくれます。こんな脚本家でも小説家でもないアマチュア椎奈の書いた本なのに、そんなモチベーションで向かってもらえて、光栄です。
引き続き宜しくです。山本くん。
(私信かLINEでやれw)
さて、影に関してはこのくらいにしておかないと紆余曲折が一番あった本なので極端にバランスが悪くなると思われます。 ので次に参りましょう。(ってもライナーってこういうのであってる?大丈夫?という不安も置きつつ)
続いては山口竜央くん選曲・the pillowsのカーニバルから「Dystopia Lovers」。
完全にPVと意図的な荒削りライブハウスロック(こんなジャンルないけど)に当てられて、楽園追放を見直しました。 お気付きの方もいらっしゃったのではないかと思いますが、唯一作中にBGMを多用させてもらった作品となり、その選曲は全てその楽園追放のサウンドトラックからです。
とはいえキャラクターイメージは別のところからお借りしてきて混ぜて形成しております。
ラジオでも触れましたが、カーニバルの歌詞にあるようなことが、ラスティとイザベラの過去にあり、それらを全て消し、人間がバイオロイドに置き換えられた状態で、果たしてどれだけ誰かを愛せるようになるのか、という実験体がラスティです。
だから、変な情報は持っているが、人間に関わる部分の記憶が曖昧だったりしています。 学習プログラムで得た知識は通常忘れることはあり得ないのに、でかい人災の名前があやふやなままであったり。これは人間時代の記憶を想起させる可能性があるので、そこだけモザイクがかかったように処理されているせいだったり。 人類なんて見たことねーし、も同様です。
そして、テリー爺さんに関わることになるホロチップ、並びにテリー爺さんはバックドアプログラムという設定でした。 一件、野放しにされたラスティという元人間のパーソナリティが埋め込まれたバイオロイドにkoi.exeをインストールさせ、火星と必要以上に接続し、イザベラがそのパーソナリティを回収、経験値を踏まえた上で他愛感情が果たして搭載できるかどうかのテスト。
並びに、koi.exe=恋を、ai.hum(an)=愛にシステマチックにアップデートしていくことは可能なのかという臨床実験、という構想です。
この話の中で一番自然で本音っぽいのはルーベンでしたねw
いいやつ、ルーベン。
余談ですが、名前はオーシャンズシリーズ(イザベラは12、13)から拝借しました。大好きです。 ここまでで前半、結構経路の違う作品が並ぶことになりました。
いらっしゃった方、いかがでしたでしょうか。
さて、 ここから後半に突入いたします。
続いてはしろたのぞみ選曲、柴田淳の君へから、「葬想曲」です。
本番の集中力が炸裂してかなり素晴らしかったです。 言うこと無しとはこのこと。ここまで全部そうですが。
実は、選曲に一番時間を要したと記憶していますが、脚本書き終えるのが一番早かったです。
曲を知っていたのもありますが、何よりインスピレーションで想起した最初のネタが一発でしろた承認を通過しまして。
その時のメモ。
========================================== 浜辺で愛する彼の棺を送ろうとしている女性。
夜。
大きな月。
囲むともしび。
時翔ける蝶に導かれた視線が見つける手紙ー遺言?
手紙ナレと読み手の心境のコントラスト、ギャップ、振り回される想い。 最後は優しく送り出す。
=====================
海にはいない蛍。幻光虫?みたいなものが住まう海。
ゆっくり優しい光が包む中で、主人公の女性が、一つの棺を、 たった一人で海に流す。
それが、「貴方」の望む最後だったから。
たくさんのひかり。
文句ない満月の月明かり。
つい、と反射して光る、棺の蝶番。
涙が海に落ちてしまう前に、彼女の思うことはー 一話の蝶が目の前を横切ると、棺に止まる。
そこに、何かが挟まっている。
彼が、亡くなる前に彼女に手紙を残していた、それだった。
手紙に綴られた彼の思いと、いま棺を送り出そうとする彼女の想いが交錯する。
海に浮かび行き、ゆっくりと沈んでいく棺を見て、彼女の思うことは。
的な!
00:30 椎奈未月@in the Mirror 視点は基本主人公の女性「私」で、ラブレターは「僕」とか
00:30 椎奈未月@in the Mirror それらが回想と、現在と手紙の朗読とで合間って進んでいく。
舞う蝶。
==========================================
こんな感じでした。
ラインで送ったテキストのメモも掲載。
これの次が、手紙そのもので、次がもうほぼ決定稿となりました。
ただ、イベントのエンディングやラジオでも触れましたが、曲の主人公を亡くなってしまった男性にして、しろたさんが演じるのは、その手紙を受け取る女性=曲を聞くと言う、しろたさんの立場をミラーリングしたような構成にしました。 ただ、この情報そのものはしろたさんにも山口くんにも伝えておりませんでした。本当に一切。。。
当日の開場直前まで書く曲を流していたのですが、開場時間のため控え室に移動するギリギリまで、荷物を抱えて座り込むようにしてこの曲を聴いていたしろたさんの姿を見て、ああ、やっぱりそうだよなぁ、もしかして気づいてるのか?と思わされました。 結果気づかれてましたがw びっくりしましたわ。影の後半でも書きましたが、汲みあげる力の強いメンバーで大助かりしております。
尺や設定もあまりなくライナー的なことがあまりないのですが、いくつか。
書いてる時によく言ってたのが「全部、君だった」を含む三行の部分で、初期の段階結構な確率で泣いてたこと(一人で校正とかしてても泣いてたwアホww)
これに関してはオリジナルの文章のつもりなんですが、どっかで聴いた表現のような気もします。 あと一部分あるアニメから言い回しを拝借したところもあります。
「貴女にこそ祈るよ、全てを」
という部分なのですが、お分かりになりますかね(クイズか)
Re;CREATORSという作品です。軍服の姫君・アルタイルより。
敬愛する作品の一つです。
まさか葬想曲にこう言ったエッセンスが混じるとは思いませんでしたが、嬉しい誤算でした。
そんなこんな椎奈としても好きとか、書いている時の感情遷移が激しかった作品です。
書き上げて数日は慣れなくて読めませんでした。
そんな葬想曲はこれ以上話すと(ここまででも?)野暮ったくなるかなぁと思うのでこの辺で。
ラジオ「TEA lounge最終回」ではこれ以外にもちょっと触れてます。
さていよいよ最後。
内田早紀選曲、School Food Punishment(以下SFP)のfuture novaから、「明日からを紡ぐ今日にある昨日までを」 タイトルから様々なことを連想できる、受け取る人によって意味合いに温度差やコントラストが出る、というのを念頭においてタイトリングしているのがポリシーみたいなことを言っておきながら早速共感とか難しいタイトルとなりました。 (言ってることちゃってることおい)
この選曲についてですが、多分内田さんの音楽遍歴にSFP持ち込んだのファーストの時のMスケッチじゃね?あれ椎奈じゃね?って感じで、大変恐縮だった覚えがあります。 何しろ解散済みでしたので……(僕が推してるバンドは結構な確率で解散してるんですよねー。最近でいうとチャットモンチー。PE'zとか。JiLL-Decoy Associationだけは解散しないでくれと命綱感。like amebaから大好き。マタドウデモイイinfo)
Lovin'Livin'の発足であるLove Livingの一回目でかなりイメージをもらったーティストの曲を選んでくれたことも嬉しかった記憶があります。
うっちーありがとうございました。
この本は、最初は全然違う話だったパターンです。
では葬想曲に引き続き、プロットメモを置きましょうか。
内田さんのお声で脳内再生できる方は是非してみてください。
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月曜日の朝。 やな夢見たな。
金曜の夜の回想。
叱る上司。
叱られる私。
昨日を、どう捉えたらいいのか?
私は、昨日にどう向かえばいい?
現実くらい夢だった。
でも、すごく緻密で、まるで現実みたいな、緻密な夢。
忘れちゃいけない、悔しさと落ち込みがないまぜになってる。
火曜日の朝 重い体。
渋谷のスクランブル交差点。
人が、針の意図を縫うように歩いていく。
少し触れる肩。
ぶつかってしまう肩。
追い越していく人。
ああ、そうか。
前に向かう。
明日に向かう。
昨日にすら、まだ何も言えていないのに。
だから私は、ここにいるみんなとは前に向かう速度が違うんだ。
何か、何かを得なければ、私は。 無様でも、あがいてみたらいいのかな。
水曜日の朝。 エレベータの順番待ち。
こそこそ聞こえる、知らない誰かの知らない人の陰口。
私もあんなこと言うようになるのかな。
私もあんなこと言われるようになるのかな。
不毛だ、と思う。
共通の敵を作るくらい、私は自分に勝てていない。
自分に、勝つ??
ヘッドフォンから聞こえる曲からエネルギーが流れ込んで来る。
じわりじわりって、沁みてく。
今思ってること。
失敗して凹んだ。
自分の影みたいな、嫌なところも感じた。
そこで膝を抱えてる自分みたいなもの。 それも含めて再挑戦して勝つのは自分だ、みたいな。
覚悟は見えたかもしれない。
失敗して、何かをなくしても、何もなくなっても、またはじめればいいんじゃないか?
よし。 何もない明日も、もういちどはじめろって何かに言われてると思えば。
きめた。
昼、同僚とのランチ。
木曜日の昼。
デスクについた。
タスクはこなした。
ここからだ。
明日で一週間。
提出期限。
リベンジ。
先週のようなことにはならない。
今度こそ、頷かせてやる。 こっそりのぞく逃げ道は、見ないことにする。
金曜日の朝。
帰らなかった。
けど、おかげで昨日は昨日じゃない。
まだ今日だ。
そして私は、昨日をちゃんと考えた。
明日に向かう準備はできた。
落ち込んでた自分も取り込んで、手を繋いで、明日の自分と手を繋ぐために。
外に出てみる。
普段感じない、朝焼けの渋谷。
風が、少しだけ気持ちいい。
朝日が、雑念を洗い流してくれる雰囲気。
金曜日の昼。
こそこそ聞こえる、知らない誰かの知らない人の陰口。
でも、気にならない。
徹夜の寝不足で、思考力が落ちてる?
ちがう。冴えてる。
私は、私で次に行く。
金曜の夜。
提出期限が来た。
うなづく上司。
「よくやった。お前帰ってないだろ。飯おごってやっから、ちゃんと休めよ」
思わず拳を握る。
自問自答。
闇の中に飲まれそうだった昨日の自分。
でも勝つと決めた。
否定した人間に認めさせて、一緒に勝つと決めた。
明日は、きっと一人じゃ辿り着けない。
闇に飲まれた自分も、どっかで笑ってる自分も、一人きりになりたがった自分も 全部連れて行く。
昨日の自分に、昨日に手を振らせて。
今日の自分に、今日に手を振らせて。
明日の自分に、笑顔で言うんだ。 「
お待たせ」って。
「仮タイトル:明日の紡ぐ星」
=====================================
こんな感じが、ああなりましたw (軸はぶれてないと思いたい!)
何故ならば!
椎奈がこういう一般的会社員の上司部下みたいな関係性を経験したことがまるでなく、内田さんからなんかヒントもらえないかなと思って相談したら
「このメンタルにはなかなかならないかも」
となってしまって、ぎゃー!ということで、まだ僕が想像取材できる立場に主人公の松島を切り替えました。
そしたら転がるように執筆が進んでって。 なんだかんだ、正味6時間ぐらいで書いたんじゃないでしょうか。日にちはかかってますが。
この本、松島翠じゃなく黒川基人気がすごい。
ので、今後椎奈が描くどっかの作品の中で『緻密な夢と、透明な闇』は映画化します。(暴露 決めんたんだもーん!(内田flavor)
と、いうことは…?
なんともLove Living感、そしてLovin'Livin'のポリシーに一番沿った作品となりました。
それゆえに上演順も最後、あの脚本末尾のナレの雰囲気で終わることができて、それが白けないのが、内田さんのすごいところです。
それゆえに、精神論によっていってしまいますが、どうしても難しく書きがちになり伝わりやすさが落ちてしまうところを、話し言葉で書くことができそれが音になることで共感性を上げられうのは才能だと思います。 うっちーすげー。
さて、そんなこんなで4作品振り返って参りましたが、いかがでしたでしょうか?
ツッコミや、ここもっと知りたいとかもしありましたら、ツイッターでもおまちしております。
Lovin'Livin'ツイッター @lovinlivin_toU
椎奈未月ツイッター @LunaticThanatos
総括として、今回ナレーション多めなので、気持ち小説テンションで書いてみたのですが、こっちのが椎奈個人としては書きやす!というのと、上演するとなると小説の勝手ではやっぱりアカンで! ということでしょうか……(観点がそこかよ 前回「Second Love Living」の"鏡の国の銀の虹"同様、
色々な色のある4人であるから、その色が極力出るように、という方向で脚本ワークを始めてみましたが、その目論見はどうでしたでしょうか? 伝わっていると嬉しいです。
最後に。
HPや当日パンフレット、台本の装飾、そして全作品に唯一通じて登場した青い蝶。
ラジオやイベントでも触れていたように、このイベントは最初「One's Once DiSE」というタイトルでした。(大文字小文字も正確にはこれ) 「誰かの、一つの賽」というい意味合いで、出演者が選んだ曲を軸に、と思って企画したのですが、曲のラインナップ見たら無理!!ってなって現在のタイトルになりました。
このタイトルのイベントポリシーは、時が何かを消していくという意味合いでつけたのですが、この想起材料にCrariSの「Butterfly Regret」という曲がありまして、全ての作品世界に干渉する超次元的存在(First Love Livingにて上演したカミサマの部屋の黄昏のカミサマみたいな)として置かせていただきました。
あるときは異変を、
あるときは気づきを、
あるときは贈り物を、
あるときはきっかけを、
運んで来る青い蝶。
というイメージで、主人公のターニングポイントに出現するようになっております。 ちょっと気にしてお読みいただいても面白いかもしれません。
全体尺がもうちょっと短かったら、この曲の短い本を書いてオープニングとエンディングにやってもいいかなーと思っておりました。 テキストはありますが、これは上演していないので、機会がありましたらお目にかけたいと思います。
さて長くなりました、ライナーノーツ以上となります。
そしてこれを持って、TEA、Time Erase Anythingの更新予定は全て完遂となり、当プロジェクトは終了となります。
TEA&Co.も一旦解散となりましたが、ちなみに別のが形成されております。
……公表してるから触れていいか。
カーディナルシリーズ、「王に継ぐ罪の羽」通称罪扇、現在脚本製作中です。
予定としては、ラブコメです(このタイトルで!?)
まだだ、まだ終わらんよ、しつこいくらいに。
Lovin'Livin'、並びにLove Living、すでに3rdの開催も決定し、キャスティングもできました。
本も初稿上がりました(爆早)
3rd椎奈脚本じゃないから来るべき4thのための新作構築も着手しました。
ん?罪扇書いてるのに4th構築中?……なん……だと……
今後とも何卒引き続き宜しくお願いいたします。(しれっと
それでは、長文、乱筆乱文失礼いたしました。
ここまでお読みくださり誠にありがとうございました。
また、何か機会がありましたら、こういったことも各イベントなどで上げでいきたいと思っております。(椎奈自身が作り手の顔が見える方が好きだからというだけですが)
12月に入って寒くなってきました。
みなさま、ご自愛ください。
誕生日企画の誕生日月が過ぎたその日に。
2017年12月1日
椎奈未月
BGM:Time Erase Anything in 26th / November / 2017
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